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江戸時代のオランダ語通詞が通訳・商務官としてのコミュ力を獲得した方法

私の思い
2020.09.15

科学的に正しい英語学習法をゲーム感覚のアクティビティに落としこむと使える英語が身につきます。人見知りさん、口下手さんでも大丈夫!

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突然ですが、質問です。

Q.日本人がはじめて体系的に外国語を学んだのは
何語だったでしょうか?

チッチッチッチッチッ

正解は?

A.オランダ語です。

(中国とも交易を行っていましたが
中国貿易のための”唐通詞”は、
ほとんど中国からの渡来人の子孫が勤めていたため。)

さて

伊村元道著『日本の英語教育200年』によると

オランダ通詞が
コミュニケーションに必要な語学力を養成できたのは
以下の方法によったと書いてあります。

ABCの読み方・綴り方から始めて
会話文の暗唱に進み、
最後はオランダ語の書き方にいたるという、
今でいう4技能をまんべんなく学ぶというやり方である。
通詞の教育は8,9歳の頃から始められたようで、
特に入門期には耳と口の訓練に重点が置かれ、
発音が重視された。             

伊村元道著『日本の英語教育200年』p.18

この方法で、オランダとの交易、商務官としての役割を果たすだけのコミュニケーション力をつけたのですね✨

コミュニケーション力をつけるための学習方法

このオランダ通詞養成方法は、
まさに「えいごナビ」で行っている方法です。

子ども時代からの学習開始を推奨し、
入門期に耳と口の訓練に重点を置き
フォニックスで発音を重視したレッスンを行っています。

同時に
①リスニング→②スピーキング→③リーディング→④ライティングの順番で
4技能をまんべんなく学んでもらうことで高い成果を上げてます。

翻訳力を養成する学習法

ところで、
江戸時代には、もう一つ別のやり方で
オランダ語が学ばれていました。

学者がオランダ語の書物を翻訳するための読解力をつける方法です。

彼らの学習方法も記載があります。

翻訳専門の江戸の学者たちはどのような手順を踏んだのか。
はじめの頃は蘭和辞書などなかったから、
まず自分で語彙を集めて自家用の単語集(グロッサリー)を作る。
それを使って文中の単語に訳をつける。
次にそれを適当な順序に並べて、日本語として意味の通る文にする

伊村元道著『日本の英語教育200年』p.18

というものでした。

『解体新書』(1774)のような専門書を翻訳するのが目的で、
読解力の養成に重点が置かれたため、

「音」
すなわち
実際のコミュニケーションは
どうでもよかったのでしょう。

結果、

オランダ商館長の一行が江戸に来た時、
江戸の蘭学者との間では一言も通じなかったようです。

『江戸の蘭学者、交話せしに、一言半句も通ぜざりし』とある。

彼らは長崎通詞に通訳してもらって質疑応答をしたのである。
 

伊村元道著『日本の英語教育200年』p.18

江戸の蘭学者たちは、訳読はできたけれども、
全くコミュニケーションができなかった・・・。

何かに似ていると思いませんか?

そう、
英語の勉強を一生懸命してきた結果、
読むことはできるのにしゃべれない私たち・・・(´;ω;`)ウゥゥ

訳読のための外国語学習法では、
江戸時代であっても、現代であっても
コミュニケーションができるようにはならないという証だと思います。

お断りしておきますが
訳読が一概に悪いわけではありませんよ。

「正確に読める」ようになるための方法としては
必要なのです。

ただ、コミュニケーションできるようになりたければ
そのための訓練が
別にいるという話。

しかも、オランダ通詞方式で音から学べば、
4技能が最初から身につくし、
訳読の力も伸ばしやすいことがわかっています。

文法訳読しかしてこなかった!
だからしゃべれない!!
と嘆く必要はありません。

正確な知識がきちんと身についているので
4技能を伸ばす意識をもって
訓練すれば
上達も早いのです♪

  • とりあえずしゃべれるようになりたい人も
  • 知識の英語を使える英語に転換したい人にも役立ちます。

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