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2021年4月から中学英語が激ムズに!?
科学的に正しい英語学習法をゲーム感覚のアクティビティに落としこむと使える英語が身につきます。人見知りさん、口下手さんでも大丈夫!
『2021年4月から中学英語が難化する!
教科書改訂で英単語数が2倍の2500語になるから
英語嫌いも倍増するのではないか?』
といった内容の記事を読んだ方から、
「あまりに難易度が上がりすぎて英語嫌いの子が多くなりそうで心配です。先生は、どう思われますか?」
との質問が届きました。
お子さん、特に小中学生を持つ親御さんからすると大問題ですよね。
中学校の英語は難化するのか?
結論から言えば
文科省が意図している通りの正しいやり方で指導をし、
評価をすることができれば、
今回の教育改革は、
日本人の英語嫌いを改善し、
国際競争力を高めるきっかけになる
と思っています。(某記事とは逆の意見ですね!)
もちろん
“今まで通りの授業と評価を前提”に評価すれば、
記事が指摘するとおり
「激ムズ」という表現どおりでしょう。
が、それは改革の全体像をとらえていないと思うのです。
教育改革の目的は?
文科省が求めているのは、
これまでのような文法訳読中心の英語学習ではありません!!
先生が一方的に知識を教え込み、
生徒は受け身でそれを暗記する、
そんな従来型の学びからの脱却こそが求められているからです
知識偏重からの脱却
これまでは大学入試を頂点とした入試において、
「読む・書く・聞く・話す」の4技能のうち、
・文法的視点から正確に読むことと、
・文法の書き換え問題に比重が置かれてきました。
(つまり、4技能じゃなくて「文法」中心だったってこと)
また、
入試という”人を選別するのが目的”の試験であったため、
難関大学ほど”細かい文法知識をどれだけたくさん知っているか”という、
本来コミュニケーションに必要ない
重箱の隅をつつくような学びとなっていました。
しかし、そのような勉強を重ねてきた結果はどうだったでしょう?
私たちの英語力は伸びたでしょうか?
- 文法知識ではどの国にも負けないのに、しゃべれない。
- 減点方式のテストのせいで過度に間違いを恐れて萎縮し、必要な場面で発言できない
- そもそも、人前で英語を使う訓練をしていないから、しゃべり慣れていないせいで発言できない
そんな日本人が出来上がってしまいました。
長いこと批判にさらされながら変えられなかった理由はいくつもあります。
ペーパーテストの方が
①試験しやすい
②採点しやすい
③主観的だと批判されない
④英語がしゃべれない人でも教えられる
それが、ようやくここにきて!
そう!!
ヨーロッパにおくれること75年、
韓国に遅れること25年、
中国に遅れること20年目にしてようやく
外国語を学ぶ本来の目的
=日本語をしゃべらない人ともコミュニケーションをとれる日本人を育てる
学習指導方針に変わったんです。
喜ばしいことではありませんか?
私は、この方向性は変えるべきではないと思っています。
日本だけにしか通用しない英語能力では意味がないからです。
単語数が増えるならやはり負担では?
そう思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
確かに単純に単語の数だけ見れば各学年とも増えています。
小学校 | 中学校 | 高校 | 合計 | |
~2020年 | 1200 | 1800 | 3000 | |
2021年~ | 600~700 | 1600~1800 | 1800~2500 | 4000~5000 |
ですが、単語増は
英語学習の目的が大きく変わり、
それに伴い評価も変わるから。
今回の教育改革のゴールを一言で言ってしまえば、
「テストのための英語ではなく、使える英語を身につけさせること」
です。
言いたいことを表現するための語彙の追加
「英語が使える」ということは、
自分の言いたいことが言えるということもありますよね。
中学生ともなれば、自分の身の回りから社会問題まで、
話題も広がりますし、
個々人での意見の違いもはっきりしてきます。
ちょっと、大人びた抽象的な単語を使ってみたい時期でもありますから、
そんな語彙も言語材料として提供しておいてやると
その中から自分の言いたいことに近い単語として使っていくようになるんです。
その発達段階に合わせた語彙があることで、子ども達の表現活動も豊かなものになります。
「高校で習っていた単語が中学に降りてきている、けしからん!!
英語嫌いが増えるに違いない」
とばかりも言えないと思うのです。
受容語彙と発信語彙
さらに、注目すべきは、学習指導要領の以下の表現です。
「受容するもの、発信するものに留意して指導すること」
中学校学習指導要領(第1章総説④)
語彙には2種類あります。
①言われたり、読めばわかる=理解できる語彙
(=受容語彙(Passive vocabulary) と呼ばれます)
②自分の言葉として発信したり、文章に書いたりできる
=使える語彙
(=発信語彙(Active vocabulary) と言います)
今回増加するのは、①の受容語彙が加わったという側面もあります。
一般に、受容語彙は発信語彙より、ずっと多いものです。
そうでなければいけないんです。
言葉とはそんなものです。
たとえば、英語が喋れないとおっしゃる方でも、文字で読んだり
相手が言っていることは理解できるということがあるでしょう?
言葉がまだでない幼児が、こちらが言っていることはよく理解している、
という場面に遭遇した方も多くいらっしゃるでしょう。
語彙には、”使えないけどわかる”という段階があるんです。
だから、最初から、出会ったすべての単語を一字一句まで間違わないで書けるように求めるのは、かえって非効率。
たくさんの単語に出会う中で、
*最も基本となる頻出単語と、
*自分に必要なものから、
だんだんに「書けて」「発話」に使える語彙=発信語彙(Active vocabulary)に高めていけばよいのです。
学習指導要領に書かれている
・受容するもの=読んだり、聞いたりすれば意味は分かるものと
・発信するもの=自分が発表したり、文章として書いたりするものに
”留意して指導すること”、とは
要するに
・自分が使わない単語(受容語彙)に関しては、意味がだいたいわかる程度でOK.
ただし、
・自分が発表したり、書いたりするときに使う単語(発信語彙)に関しては正しい発音、かつ、スペルも間違えずきちんと書けるように指導すべき。
ということ。
自分が使う単語は正確に、という要求は、
これまで長年この指導法で指導してきた立場からすると、
子ども達にとってハードルが高いことではありません。
子ども達自身が、言いたい事、伝えたい事だからです♪
評価はペーパーテストだけではない
学習指導要領を読む限り、これからの単語の評価方法は、
スペルを正しく書けたかどうか、といったやり方ではなくなるはずです。
テーマに関して、調べたり、まとめたり、発表したり、
それに対する自分の考えを述べたりする際に、
必要な語彙という位置づけになるからです。
受容語彙まで書いたり使ったりすることは求められていません。
言語学者、ポール・ネーション教授の研究によると、最も頻繁に使用される単語は1000語。この1000語で、英語のネイティブスピーカーの会話で使用される語彙の約85%をカバー。2000語あれば会話の約90%、新聞記事や小説の約80%~90%をカバーすると言われています。
だからといって、この1000語だけを暗記すればしゃべれるようになるかと言えばそんなことはありません。
まだ使えないけれども、多聴・多読の中で繰り返し出会い、何となく知っている、という膨大な単語群があって(受容語彙)、その中でコアとなる1000語を自在に使えるまでに高める(発信語彙)ことで1000語が生きて働くようになるのです。
単語を発信語彙にまで高めるとしゃべれるようになる
つまり、単語は、単に意味を覚えたというレベルにとどまっていては、自分の言葉として使えるようにはなりません。深く、そのコアとなるイメージまで体得する必要があります。
最も頻繁に使用される基礎的な単語を深く体に取り込むのに役立つのが
・多読であり、
・アクテビティの形で生徒に与えるタスクとなります。
これまで英語を学んできたけどしゃべれないとおっしゃる方は、
単語が受容語彙の段階にある可能性があります。
将来英語が話せる子どもに育てたかったら、これまでの文法中心の学びのままではいけません。学習の最初から、学んだら自分の言葉として使うというサイクルを回していくことが大切です。
子ども達がより能動的に、自分の頭で考えて、積極的に関われるように指導することが求められています。
そんな指導ができれば、単語が増えようと、高校の文法が下りてこようと英語嫌いを生み出すことにつながりません。
この点に関しては自信をもって断言できます(^_-)-☆
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