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前置詞をマスターしたい!

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2021.06.15

科学的に正しい英語学習法をゲーム感覚のアクティビティに落としこむと使える英語が身につきます。人見知りさん、口下手さんでも大丈夫!

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皆さんは前置詞を使いこなせていますか?
私はとっても苦手でした。

辞書を引いても
たくさんの訳語がでていて
どれをあてはめればいいのかわかりませんし

先生に聞いても、
教えてもらったことが当てはまる場合もあれば、
当てはまらない場合もあり・・・

正直よくわからないまま大人になった
そんな感じでした。

前置詞を制するのに必要なこととは?

雲をつかむような前置詞学習
ー そう感じていた前置詞から
これなら私にもつかめるかもしれない!

そう大転換させてくれたのは、

ネイティブの感覚で前置詞をとらえ直すという視点でした。

具体的には、当時NHKで放映されていた
大西泰斗先生とポール・マクベイ先生の「ハートで感じる英文法」がきっかけとなりました。

具体例があった方がわかりやすいので、
同じタイトルの本の中から、以下の2つの例文を引用させていただきます。

  1.  A: Does she have any good ideas? (彼女なんかいいアイディアあるかな?)
     B: Yes. She has many in her mind. (ええ、たくさん持ってるわよ。)
  2.  A: Mika has been looking very down recently. 
    (美夏、最近とても落ち込んでいるみたい。)
     B: Well, she has a lot on her mind at the moment.
    (うん。彼女、最近いろいろ抱えているもんね。) 

1.の in は「~の中に」だと学校で教えてもらったので、
in her mind なら、「心(頭)の中に」だと学校英語の知識ですんなり理解できます。

では、 2.の on her mind はどうでしょう? 
なぜ、in じゃなくて on なのか不思議ではありませんか?

前置詞 on とは?

前置詞 on の「訳」

her mind の前につく前置詞は in だけじゃなくて on もあることに驚きつつ
なぜそうなるのかを知りたくて、
辞書で on の「訳」を引いてみました。

on : ~の上に、~に、~をおおって、~を支えとして、~に属して、~に付着して、~に接して、~に沿って、~の方向に、~に向かって、~をめがけて、~に対して、~の不利になるように, ~すると同時に、~の直後、~について、~に関する・・・・

ムチャクチャたくさんの訳が載っています。
この中から、どれか適する「日本語訳」を選び出すことはほぼ不可能ですよね(泣)。

前置詞 on の「用法」

では、前置詞を「用法」で覚えることは可能でしょうか?
On の用法は・・・と調べてみると

“支持・接触・付属、近接・方向、敵対・不利益・影響、日・時、関係・従事・・・”

ますます混乱💦

「日本語訳」も「用法」も、たくさんありすぎて、とても覚えられません。
でも、たとえ覚えたからといって一生使いこなせるようになれない、
という変な自信(!)は湧いてきました。

ところが、on のもつ基本イメージで前置詞をとらえ
そのイメージを押し広げることでさまざまな意味づけがでてくるのだというのが
大西&ポール両先生の主張だったのです。

ネイティブの持つ基本イメージで前置詞をとらえる

ネイティブはごく単純な感覚 
-基本イメージ- をつかみそれを延長することによって豊かな表現力を身につけています。
私達も同じように文法を学びましょう。
まず核となる基本イメージをつかむ。
そしてそれを押し広げていく。
それが英語を理解するもっとも効率的な方法なのです。 

大西泰斗/ポール・マクベイ著(『ハートで感じる英文法』

“前置詞を理解する唯一の方法。それが核となる基本イメージを「感覚」でつかむことである”なのですね!!

それまで丸暗記することが単語学習だと思っていた私にとって、
体に宿った感覚を頼りに英語を操る、
ことばの本質はそこにある
という考え方は
とても斬新に思えました。

でも、考えてみれば当たり前。
私達だって、日本語をつかっているときには、同じことをしているわけですから。
ネイティブがそうしていないわけがない!っと。

前置詞 on の基本イメージ

Step1.基本イメージを把握せよ 

on の基本イメージは 「上に乗っている」です。
言葉でなく、イメージとして思い浮かべてくださいね。
* 「机の上にボールが乗っているイメージ」
これは簡単ですね!

step2.基本イメージを使いこなせ

基本のイメージの延長線上に用法や訳の違いが生まれます。

①机とボールの接点にフォーカスしてみてください。 → くっついていますね!
そこから、「接触」の意味が出てきます。

②次に、接触しているものを引っ張ると想像してみてください 
→ すると、「線」がイメージできませんか? 
→ 千代田線など鉄道路線・道路などは「線」として認識されるのでonが使われます。

A: Yuka wants me to meet her at Nogizaka station, but I don’t know where it is.
B: Oh, it’s on the Chiyoda line, one stop from Omotesando.
(A:由香が乃木坂駅で会いたいっていうんだけど、どこにあるかわかんないんだよ。)
(B:ああ、それは千代田線。表参道から1つ目よ。)

③さて、いよいよ冒頭の “on her mind” を解く準備ができました。

  1. A: Mika has been looking very down recently. 
    (美夏、最近とても落ち込んでいるみたい。)
    B: Well, she has a lot on her mind at the moment.
    (うん。今、彼女は悩んでる事がたくさんあるんだよ。) 

「悩んでいる」
なぜこんな意味になるのでしょう?
その秘密はやはり、基本イメージにあります。

Onは、机の上に球が乗っているのが基本イメージだとお話しました。

基本イメージを、今度は、ボールの側ではなく、机の側から眺めてみてください。
上の球が下にぐっと「圧力」をかけているように見えてきませんか? 
そこから「圧力」という意味がでてくるわけです。

her mind(彼女の心) にa lot(たくさんのこと)が大きな圧力として、のしかかっている 
→ 気にかかっている、悩んでいる、そんなニュアンスになるのです。

「力が加わっている」感じ、それがonを呼び込みます。

<今日のまとめ>

これまで熟語として丸暗記してきた熟語 : 
effect …on(効果), Influence… on(影響), emphasis … on,(強調)、 concentrate on(集中する)、Impact …on(衝撃)などなど。
これらは、いずれも、力が及んでいるところから、onが選ばれていたのです。
「力が加わる」イメージでとらえれば、onをとることがスッと理解できるのではないかと思います。


というか、人によって、場合によって、ネイティブでも前置詞の使い方が違うことがあるのは、それぞれの人の感覚で前置詞がえらばれていたからだったんです。イメージさえ正しくつかんでしまえばもう丸暗記はいりません。なんて素敵なことでしょう! 

言葉である限り、誰でも身につけることはできるというのは本当です。
とはいえ、体の中に感覚を宿らせるためには、時間が、そう、英語との接触時間は必須です。
一日5分で~なんてありえません。
と同時に、丸暗記でも身につかないことがなんとなくおわかりいただけたでしょうか?

体に宿った感覚を頼りに英語を操る、ことばの本質はそこにあります。

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